花街のお茶屋などのお座敷で、唄、舞、三味線などの伝統芸能をお客さまに披露し、宴の席を楽しくさせるのが舞妓さんです。アイドルやタレントさんのようですが、350年以上の歴史を持つ京都ならではの専門職。華やかに着飾って可愛らしく街を歩く姿は、京都の象徴として訪れる人々を魅了しています。また、海外のイベントなどに出て、文化大使的な役目を担うこともあります。
「駒屋」は、京都を代表する花街のひとつ宮川町で100年以上続く置屋。芸の道を選んだ女の子たちが舞妓となり、一人前の芸妓へと成長するまで面倒をみるのが私たちの役目です。

仕込みさんから舞妓さんへ

舞妓さんになるのは簡単ではありません。置屋に所属して約1年は、「仕込みさん」という住込み修行期間。厳しく自由のない毎日なので、舞妓さんになる前に辞めてしまう人も。それに耐えてようやく「見世だし」という、舞妓さんデビューの日がやってきます。そして何年かして「衿替え」をして芸妓さんになります。

お母さんとお姉さん

厳しい修行に耐える舞妓さんには、支えてくれる人が必要です。それが、「お母さん」と呼ばれ言葉遣いや立ち振る舞いなどの躾をする置屋の女将さんと、「お姉さん」といわれる先輩の舞妓さん芸妓さんたちです。中でも盃を交わした「お姉さん」は、デビュー後もずっと芸事も精神面も面倒を見つづける深い関係になります。

家を出て置屋に所属し、住込みで修業します。例えるなら、置屋は芸能プロダクション、「お母さん」が社長、「お姉さん」がマネージャーのような関係です。

衣装と髪型

①髪型

舞妓さんは地毛。芸妓さんはかつらです。

②花かんざし

月で変わる季節をモチーフにしたものが基本。祭りなどで使う特別なかんざしもある。

③襟

舞妓さんは刺繍の襟ですが、芸妓さんになると塩瀬の襟(一般的に使用しているもの)になります。このことから、舞妓さんから芸妓さんになることを「襟かえ」といいます。

④ぽっちり

舞妓さんのシンボルともいえる、一般的なものよりも大きくて飾りも豪華な帯留め。正装のときは着けない。

⑤帯

舞妓さんは、後ろが垂れ下がった長い帯(だらりの帯)。季節ごとの柄や素材があり、端には置屋の紋が入る。芸妓さんはかっちりした帯。

⑥籠

千社札(舞妓さんの名刺)や、舞に使う扇や手ぬぐい、手鏡、櫛、お化粧道具などが入ったバッグのようなもの。

⑦着物の袖

舞妓さんは長い袖。芸妓さんは短い袖。

⑧履物

舞妓さんは「おこぼ」という厚い桐でできた下駄。底がくり抜いてあり、経験の浅い舞妓さんのものは内側に鈴が入っている。芸妓さんは下駄。

舞妓さんの、ある一日

9時
10時〜
起床・朝食
舞・唄・三味線・
鳴物のお稽古
午後1時
3時頃〜
6時頃〜
昼食
お拵え
宴席に向かう

午前中から昼間にかけては芸事のお稽古で、午後は少し休んでから用意をしてお座敷に向かいます。
毎日ご挨拶まわりをしたり、パーティーや京都の物産展、海外のイベントなどに出席することもあります。
また、京都の伝統的な歳時にかかわることも多いです。

舞妓さん、芸妓さんの行事(宮川町)

【1月】
御年始のご挨拶回り・始業式

【2月】
節分 豆まき・八坂神社 奉納舞踊

【4月】
京おどり(第1土曜日~第3日曜日)・
平安神宮 奉納舞踊

【6月】五花街合同公演

【7月】
祇園祭の花笠巡行・浴衣会

【8月】八朔のご挨拶回り

【10月】みずゑ會・時代祭

【12月】
顔見世総見・事始めのご挨拶回り

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